2025.06.23
“あの人の不機嫌”は、あなたのせいじゃない。心理学で読む職場の人間関係

「また機嫌悪そう…私、何かした?」
職場で誰かの不機嫌に心をざわつかせてしまう。そんな経験、ありませんか?
でも実は、それ、あなたの責任ではないかもしれません。
本記事では、心理学の視点から“不機嫌な人”の正体に迫りつつ、職場の人間関係で自分を守るヒントをご紹介します。
不機嫌に振り回されない毎日へ、一歩踏み出してみませんか?
「他人の機嫌=自分の責任」は、思い込みかもしれない
職場での人間関係は、業務の効率やメンタルに大きく影響します。
中でも厄介なのが、「やたらと不機嫌な人」。無表情、ため息、舌打ち…。
明確に怒られたわけではないのに、空気がピリつき、周囲が「地雷を踏まないように」と神経をすり減らしている——そんな風景、見覚えはありませんか?
このとき、多くの人が無意識に「自分が何か悪いことをしたのかも」と感じがちです。
でも、その“自己反省モード”、実は心理学的には“思い込み”の可能性が大いにあるのです。
「感情の投影」が生む誤解
心理学には「投影(projection)」という概念があります。
これは、自分の内側にある不安や怒りを他人に映し出してしまう心の働き。
たとえば、上司が家庭内トラブルでストレスを抱えていたとしましょう。
そのモヤモヤを言葉にできず、職場で不機嫌オーラとして放出してしまう——でも、その理由を知らない部下は「自分が何かミスをしたのでは」と思い悩んでしまうのです。
不機嫌な人の「内側」には何がある?
不機嫌な態度をとる人は、必ずしも「怒っている」「嫌っている」というわけではありません。
むしろ、自分の感情をうまく処理できていないだけというケースがほとんどです。
不機嫌は「自己表現」の一種?
心理学者のアドラーは、「人間の行動にはすべて目的がある」と言いました。
不機嫌という行動にも、“周囲をコントロールしたい”“気づいてほしい”という無意識の目的が隠れていることがあります。
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認められていないと感じている
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不安や疲れを抱えている
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自己肯定感が低く、他者を責めることで保っている
つまり、あなたが何か悪いことをしたわけではなく、相手の内面の問題が表出しているにすぎないのです。
不機嫌に振り回されない「心理的距離」のとり方
では、どうすればその“他人の不機嫌”から自分を守れるのでしょうか。
カギは、「心理的距離」を上手に取ることです。
1. 相手の感情を“自分のせい”にしない
「また不機嫌だな」と感じたとき、自動的に「自分が悪いのかも」と結びつけないことが大切です。
頭の中でこう唱えてみてください。
「これは私の問題ではない。相手の感情は、相手のもの。」
この“線引き”ができるだけでも、心の疲弊を防げます。
2. 「気づきすぎる力」をコントロールする
気配りができる人ほど、相手の微細な変化に敏感です。
でも、それが過剰になると、相手の不機嫌をすぐに“自分への否定”と捉えてしまいます。
感情の「共感センサー」を一度オフにする勇気も、時には必要です。
3. コミュニケーションで“確認”する
もし、どうしても相手の態度が気になるときは、勇気を出して直接聞いてみるのも一つの手です。
「私、何か気になることしてしまいましたか?」と冷静にたずねるだけで、案外あっさり「え?全然そんなことないよ」と返ってくることも。
不確かな空気に振り回されるより、確認することでモヤモヤが晴れることもあります。
それでも辛いときは「逃げる」も選択肢
繰り返しになりますが、不機嫌な態度をとる人の多くは、自分の問題を他者にぶつけているだけです。
もし、それがあなたにとって深刻なストレスとなっているのなら、我慢し続ける必要はありません。
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異動や部署変更を相談する
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信頼できる上司や人事に相談する
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メンタルヘルスの窓口を活用する
「逃げる=負け」ではありません。
自分を守るための立派な戦略です。
まとめ
職場の“誰かの不機嫌”は、あなたの責任ではないことが多いのです。
心を削られるのは、もう終わりにしましょう。
心理的な距離を保ち、自分を守る選択を、今日から意識してみてください。