2025.07.07
言いにくいこと、どう伝える?“気まずくならない”アサーティブコミュニケーション術

「本当は言いたいけど、言ったら角が立ちそう…」
そんな経験、誰にでもありますよね。
職場やプライベートでの人間関係で、伝えたいことがあるのに“空気を読んで”飲み込んでしまう――それが積み重なると、ストレスや誤解の原因にもなりかねません。
本記事では、自己主張と配慮を両立する「アサーティブコミュニケーション」の考え方と実践法に加え、職場で使える言い換え例や実践フレーズも紹介します。
「気まずくならない伝え方」を知れば、人間関係はもっとラクになりますよ。
そもそも「アサーティブコミュニケーション」って何?
アサーティブ(assertive)とは、「自己主張する」「率直に伝える」という意味。
とはいえ、単なる“強い主張”とは異なります。
アサーティブコミュニケーションとは、「相手も自分も大切にする伝え方」のこと。
攻撃的でも受け身でもない、ちょうどいい距離感と配慮をもったコミュニケーションです。
具体的には以下のような3つのタイプと対比されます。
- 非主張的(受け身):自分の意見や感情を抑え、相手を優先する
- 攻撃的:自分の意見を押し通し、相手への配慮が欠ける
- アサーティブ:自分の意見も相手の立場も尊重する
なぜ“気まずくならない”のか?アサーティブの強み
アサーティブコミュニケーションは、「正直」と「やさしさ」を両立させる伝え方です。
たとえば、「残業を頼まれたけど今日は断りたい」シーン。
以下のような言い方の違いを見てみましょう。
- 受け身的:「はい…わかりました(本当は無理だけど断れない)」
- 攻撃的:「またですか?いい加減にしてくださいよ」
- アサーティブ:「今日は家庭の事情で残れません。申し訳ありませんが、明日でよろしいでしょうか?」
すぐ使える!アサーティブな伝え方のコツ5つ
1. 主語は「私」で始める(Iメッセージ)
「私は、〜と感じました」と伝えると攻撃的にならず感情を共有できます。
2. 感情を正直に言葉にする
無理に隠さず「正直に言うと少し困っています」など、素直な感情を表現しましょう。
3. 断るときは代替案を添える
「今日は難しいですが、来週なら対応可能です」など、選択肢を提示すると印象◎。
4. 相手の立場も尊重する
「ご要望は理解しています」と伝えてから自分の意見を述べると柔らかくなります。
5. トーン・表情・タイミングも大切
冷静な口調と落ち着いた表情で、適切なタイミングを選びましょう。
職場でのアサーティブな伝え方の実例集
職場で実際によくあるシチュエーション別に、アサーティブな言い方の例を紹介します。
● 上司に納期の延長をお願いしたいとき
NG:「無理です!」
OK:「現状の進捗を踏まえると、あと2日いただければ品質を確保できます。いかがでしょうか?」
● 同僚の言い方に違和感を感じたとき
NG:「なんでそんな言い方するの?」
OK:「さっきの言い方が少し厳しく感じました。もし私の受け取り方ならごめんなさい」
● 無理な仕事を頼まれたとき
NG:「またですか?自分でやってください」
OK:「今は他の業務で手一杯なので、〇日以降でよければお手伝いできます」
● チームメンバーに協力をお願いしたいとき
NG:「やってくれますよね?」
OK:「この件、一緒に進めていただけると助かります。ご協力いただけますか?」
よくある言い方をアサーティブに変える言い換えフレーズ集
ありがちな言い方 | アサーティブな言い換え例 |
---|---|
「私ばかり仕事が多くて不公平です」 | 「業務量について一度見直しをお願いできますか?」 |
「そのやり方じゃダメです」 | 「別の方法もあると思うのですが、提案してもいいですか?」 |
「忙しいので無理です」 | 「申し訳ありませんが、〇日は対応が難しそうです」 |
「その言い方きついですよ」 | 「少し強く聞こえたかもしれません。どういう意図でしたか?」 |
「はっきり言って迷惑です」 | 「対応が難しいこともあるので、事前に共有いただけると助かります」 |
まとめ:「言いたいけど言えない」を手放す一歩に
アサーティブコミュニケーションは、我慢せず、でもぶつからない伝え方です。
仕事でもプライベートでも、少しずつ実践していけば、人間関係が驚くほどスムーズになるはず。
あなたも今日から、“気まずくならない本音の伝え方”を始めてみませんか?