2022.11.09
休職のメリットとデメリットは?働く人が知っておくべき休職の知識
会社で働いていると、体調を崩したり怪我をしたりして会社を長く休まなくてはならないことがあるかもしれません。そんな時、真面目な人ほど「会社で働いている人に迷惑がかかるから」「休んでいる間のお金が心配だから」という理由で休みづらく感じるでしょう。
休んだほうが良いと分かっていてもつい無理をしてしまい、病気や怪我の症状が悪化したり治療が長引いたりするケースもあります。
この記事では、休職のメリットやデメリットを分かりやすく解説します。
休職は会社に勤めていれば、誰もが経験する可能性があるものです。休職を検討している人はもちろんのこと、休職を知らない人もぜひ参考にしてみてくださいね。
休職とは?
休職とは、「従業員が雇用されたまま長期間労働の義務が免除される制度」のことです。
何らかの理由で働くことが難しくなった時に就業規定の定めにより適用されます。
休職が認められる理由は、うつ病・適応障害などの精神的な病気や怪我などの「傷病休職」の他に、「自己都合休職」「留学休職」「出向休職」など様々あります。前記したもの以外にも休職が認められる理由があれば、適用される可能性があります。
長期間休むことができる休職には、どのようなメリットやデメリットがあるのか見てきましょう。以下では、「傷病休職」にフォーカスして解説します。
休職をする3つのメリット
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心身の療養に専念できる
休職をすることで仕事から離れることができるため、じっくりと療養に専念することができます。
会社ではやらなくてはいけないことに追われてしまい、自分のことは後回しになりやすいですよね。例えば、膨大な量の業務をこなさなければいけなかったり、ノルマがあったりと知らず知らずのうちにストレスが溜まる環境です。
その環境から離れることで、物理的にも精神的にも開放され心身が悪化することを防げるでしょう。
また、煩わしい人間関係から離れられることも大きなメリットです
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傷病手当金が支給される
病気や怪我で会社を長期間休む場合は、傷病手当金が支給される制度があります。
休職を検討している人は、「休んでいる間の生活費はどうしよう」と心配になりますよね。
傷病手当金とは、「病気などで休んでいる期間、被保険者と家族の生活を保障されるための制度」のことです。
病気や怪我などで会社を休んでいる間、会社から十分な報酬がもらえない時に支給されます。
<傷病手当金をうけられる被保険者の条件>
- 業務外の病気やケガで療養中であること
- 療養のための仕事ができないであること
- 4日以上仕事を休んでいること
- 給与の支払いがないこと(給与が一部支給されている場合は、傷病手当は減額されます)
傷病手当金は、連続して会社を3日休む(待期期間)ことがあったうえで4回目以降に支給されます。
待期期間は支給されないので注意が必要です。
支給される金額は下記の通りです。
1日当たりの金額:【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)(支給開始日とは、一番最初に傷病手当金が支給された日のことです。)
引用:全国健康保険協会
支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヵ月です。
意外と見落としがちですが、条件をみたせば傷病手当金は退職後も残りの期間受け取れる可能性があります。
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復帰や転職などこれからのことを考えられる時間ができる
休職期間は自由な時間が増えるため、これからのことをじっくり考えられるメリットもあります。
休職期間が終わった後は、どのような選択をするべきか悩みますよね。会社に復帰する方もいれば、転職を検討する方もいるでしょう。
休職中は会社へ行っていなくても雇用契約は続いているため退職扱いにはなりません。そのため、体調が回復した時は会社に復帰することが可能です。
また休職期間が終わった後に転職を検討している方は、休職中に転職について考える時間ができます。
働いている間に今後のことを考える時間がとりにくいこと人も、休職期間を上手く使って将来のことをゆっくり考えられるでしょう。
休職をする3つのデメリット
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収入が減る
会社には、休職中の支払い義務法律上ないので給与が出ないことが一般的です。(会社によっては、給料の一部支払いがあるところもあります)
休職中は前述した通り傷病手当金が支給されますが、今までの給料のおよそ2/3の額のため働いていた時よりも給料が減ります。
また、社会保険料や厚生年金などの支払いは、毎月発生するため生活が苦しく感じるかもしれません。
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キャリアや昇進に影響がでるかもしれない
休職をすることにより、企業や上司によっては人事評価に影響がある可能性があります。
また再発の可能性があるメンタルヘルスの場合は、復帰後に責任のあるポジションにはつきにくいかもしれません。
企業や上司によっては、休職に理解があり評価を下げないケースもあります。また一般的には、休職の影響は短期的と言われています。
休職後に評価が下がってしまった場合は、転職を考えてもよいかもしれません。
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休んだことで復帰しづらくなる可能性がある
会社を長期的に休んだことで、「迷惑をかけてしまった」「会社に居場所がないかもしれない」と感じてしまい、復帰しづらくなるかもしれません。休職の期間が長引くほどに、不安が大きくなりますよね。
復帰することで体調が悪くならないか心配になる方は焦ってすぐに元の勤務に戻ろうとせず、時短勤務や業務内容の変更を検討しても良いかもしれませんね。
産業医がいる場合は、今後の勤務について意見を求めましょう。
まとめ
この記事では、休職のメリットやデメリットについて解説しました。
病気や怪我ではじめて休職を経験する方は、戸惑いや不安を感じるでしょう。
中には休職を選択せず、勤務しながら通院して治療を進める方もいます。しかし、働きながらの治療は精神的な負担が大きく、治療が長引いてしまう可能性もあるようです。
一番大切なことは「健康」でいることです。休職のメリットやデメリットを把握して、自分自身に負担がかかりすぎない選択ができると良いですね。